「とりあえず、座れ」と言って、立ち上がった雅也さんは、祐也の肩をポン、と叩いてカウンターの中へと姿を消した。
数秒後、缶コーヒーを5本手に、私達が腰を下ろしたテーブルの目の前に、1つずつ置かれ……
隣のテーブルに、1つ缶コーヒーを置くと目の前に立ったままだった祐也も少しの間を置いた後、椅子に座った。
雅也さんが、プルタブを開けるとみんな缶コーヒーを手にして一口。
その様子を見ながら“微糖”の文字を確認後、私も涙が落ち着いて、コーヒーを開けた。
「まず。自分の考えばかり相手に押し付け過ぎるよ。祐也も……麻衣ちゃんも、ね」
「……」
「……っ、」
小さな舌打ちは、祐也のものだ。

