「私の為に傷つく覚悟なんてしないでよ!!」
喧嘩する事は、みんなにとって怖いことじゃないのかもしれない。
だけど、やっぱり間違ってるのは祐也だよ。
「そんな事されても嬉しくない。苦しいだけだよ……そんなの仲間じゃない」
仲間だって言ってくれるなら、私の話も少しは聞いてよ。
“嬉しくない”の言葉にハッとしたのか、言葉を発っそうとした祐也が、息を飲むのが分かった。
私の鼻をすする音だけが、バーのフロアに響くと……
「まぁ……あれだな、祐也が麻衣ちゃんを大好きな事だけはよく分かった」
「!!」
一人落ち着いたトーンで。
私達の興奮を抑えてくれたのは、雅也さんの“大好き”だった。

