姫と年下王子たち

「まずは、チューからやな♪」


桔平くんの顔が、徐々に近づいてくる。


なんで…、なんでこんなことに…。

あたしはただ、勉強を教えにきただけなのにっ……。


グスン…


そんなことを考えたら、自然と涙が溢れた。

泣いたって、なんにもならないのに…。


そうはわかっていても、ポロポロと雫が目元から流れた。


すると…。


「…ひなちゃん、泣いてんの?」