でも、そんなはずないっ…。

そんなはずないけど……。



「桔平…くん……?」


あたしがそう呟くと、ゆっくりと目隠しが解かれた。



「当たり♪」


振り返ると、そこにはいるはずのない桔平くんが立っていた。


「…え、……なんで…?」


まるで、夢を見ているようだった。


「だって…、パリにいるんじゃ……」


まだ3年だよ…?



すると桔平くんは、そっとあたしを抱きしめた。