姫と年下王子たち

…本当は、こうして密着したかった。


俺はたまらず、ひなを後ろから抱きしめた。

潮の香りとともに、ひなの匂いもした。


この甘いひなの匂い…。

すっげー好きだ。



「…あっ、そうだっ」


俺は、大事なことを忘れるところだった。


渡しそびれたら、なんのためにさっき買ったのか意味がなくなっちまう。


右手でライダースのポケットを探って、…中から小袋を取り出した。