姫と年下王子たち

髪飾りが園花の手に渡ると、俺たちの間をひんやりとした風が吹き抜けた。


「「あのっ…」」


沈黙のあと、偶然園花と同時に声を発した。


「…な、なんだよ?園花から言えよ」

「わ…私は大したことじゃないから、絢斗くんからどうぞ…」


…また、沈黙する。


「…じゃあ、俺から言うけどさ」


俺は、少し頬をかいた。

なぜだか、妙に緊張した。


「…今日は、…悪かったな」