姫と年下王子たち

しかし、楽しいはずの花火大会なのに、このまま気まずい空気で過ごすのはイヤだ。



「俯くなよ。せっかくの花火だろ?上、見ろ」


俺は、園花の顎をクイッと持ち上げた。

園花の表情は、曇ったまま。


…ったく、そんな顔すんなよな。


「下ばっか向いてると、老けるらしいぞっ」

「…え゙っ、ウソ…!?」

「いや、知らねぇけど」

「…もう!絢斗くんったら!」