歯を食いしばり、あたしを見つめる絢斗。

その絢斗の目からは、一筋の涙が流れていた。


「……絢斗」


心がギュッと握り潰されるくらい痛かった。


あたしがよかれと思って黙っていたことは、ただの自己満足だった。


実は、それがもっとも3人を傷つけることだということに、今初めて気づかされた…。



「秋月さん。俺たちの気持ちを考えて、好きな人ができたことを言い出せなかったんだよな?」