姫と年下王子たち

「指が入るといけないから、目つむって」

「はーい」


あたしは言われた通り、軽く目を閉じた。


…すると、そのとき。


唇に…なにか柔らかいものが触れた感触がした。


驚いて目を開けると、…目の前には笹野くんの顔があった。


…えっ。


笹野くんと目が合って、反射的に顔を引き離す。


「今…」


あたしは徐ろに、震える手で自分の唇に触れる。