姫と年下王子たち

向かいに座る笹野くんは、書類をトントンとして整えている。


ふと…笹野くんがチラリとこちらに目を向けた。

そして、ゆっくりとあたしを指差す。


「あっ、前髪になんかついてる」

「え、ほんと?どこ?」


あたしは、手で前髪を触る。


「取れた?」

「ううん、まだ。目の上だよ」

「え~、どこだろ…?」

「俺が取ってあげるよ」


そう言って、笹野くんは向かいの席を立ち上がった。