姫と年下王子たち

そうして、ナイフを下ろしたタカシくんに目を向ける。


「ビビってるのは、そっちじゃないの?」

「…なっ」


あたしの言葉に、タカシくんの眉がピクッと動いた。


「タカシくんが言っているのは、単なる脅し。どうせ本当は、人なんて殺せないんでしょ。絢斗はチキンなんかじゃない。…チキンなのは、あなたの方」


目を見開いたタカシくんの顔が、みるみるうちに歪んでいくのがわかった。