姫と年下王子たち

ちゃんと今、俺の名前が聞こえたっ!


やっぱひなちゃんの身に、なんか遭ったんや…!!


俺の額に、一気に冷や汗が滲み出る。


「…ひなちゃーんっ!!」


俺は、必死になって叫んだ。


ヒュー!!!


しかし、その声を邪魔するかのように、ますます風の音が強くなった。


…クソッ!

一体、どこにおるんやっ…。


携帯を見ても圏外になってて、連絡の取りようがない。