姫と年下王子たち

辺りを見渡したけど、猛吹雪のせいでなんも見えへん。


「涼!絢斗!」


って叫んでみたけど、返事はナシ。


…そりゃ、そうや。

こんな吹雪やったら聴覚は風の音に奪われて、ほとんど声なんて聞こえへんやろう。


しかも、あいつら滑るのが速いから、声すら届かへんところまで下りてるかもしれへん。


…それに今思ったら、実際ひなちゃんの身になにが遭ったんかもわからへん。