姫と年下王子たち

数メートル前を滑ってるひなちゃんも、霞んで見えるほど。

ひなちゃんの前の絢斗と涼なんか、影すら見えへん。


早く、下まで滑ってしまいたいな…。

なんて考えながら、ひなちゃんのあとを追ってた。


そのとき…。


「うわっ…!!」


そんな声がして、俺の視界からひなちゃんの影が消えた。


「…えっ!?」


一瞬の出来事で、なにが起こったのかもわからへんかったけど、俺は反射的にブレーキをかけた。