姫と年下王子たち

参拝の列から外れると、小豆の甘い匂いが漂ってきた。


匂いに誘われてたどり着いた場所には、無料でぜんざいが配られていた。


真っ黒のあんこの中に、白玉が浮いている。


そして、コトコトとお鍋の火に煮込まれていた。


「うわ~、うまそっ!!オバチャン、ぜんざい4つ!」

「はい、どうぞ!」


おばさんはぜんざいを装うと、絢斗に手渡す。


「ほい、ひな!」