姫と年下王子たち

「ひなちゃんはみんなのもんやねんから、絢斗だけのもんとちゃう!」


…うん、そうそうっ。

あたしは絢斗の彼女ではないし、だれのものでもないっ。


桔平くんが言う、“みんなのもの”っていう表現も、なんかちょっと違う気するけど…。


「それに、自分のもんには名前書かなあかんって、小学生のときに言われたやろ?」


そう言って、桔平くんはあたしの右肩に手を添えた。