「…いい加減にしろ!!」


俺は、力いっぱい由香里を引き離した。


なに考えてんだよ…、こんな人前で。

しかも、元カレに抱きつくなんて。


まったく、由香里らしくない。



「じゃあ、もう俺行くからっ」


俺は服の乱れを軽く整えて、階段を下りようとしたとき…。


「…好きなのっ!」


階段の上から、由香里がそう叫んだ。


俺は言葉に困り、頭をかく。