しかし、もともと俺の家と由香里の家は真逆の方向。

もちろん、乗る電車も違う。


俺たちは、それぞれの切符を買った。


「あんなこと、もう二度と考えるんじゃねぇぞ」

「…うん」

「じゃあ…気をつけて帰れよ」


俺はそう言って、ホームに通じる階段を下りようとした。


…そのとき。

後ろから服の裾を掴まれた。


「…もう、同じ電車には乗ってくれないんだね……」