「けど…あのままじゃ、家族にまで迷惑をかけるところだった…!だからっ…、この方法しか思いつかなかったのっ…」


俺の前で泣きじゃくる由香里。


静かな店内に俺たちの声が響き、ほかの客の視線が向けられる。


「…ごめん、言い過ぎた。送るから、立てるか?」


俺は、由香里のバッグと伝票を持ち、由香里の腕を引いた。



駅まで歩く最中に、由香里は徐々に泣き止んでいった。