「まだ」


そう、一言だけ言った。


「まだだったの…!?じゃあ、あたしだけが食べるわけにはっ…」


あたしは、慌ててお弁当箱を片付け始める。


しかし、その手を長谷川くんが止めた。


「俺はあとで、勝手になにか食べるから」

「…けど」

「それに秋月さん、お腹空いてるんでしょ?さっきすっげーデカい音で、腹の虫が鳴いてたし」


やっぱり聞かれてた…。