姫と年下王子たち

…すると、ふと1人の学生が目に留まった。


その人は、中庭の奥にあるベンチに座り込んで、空を見上げていた。


あれは……。

長谷川くんだっ…!


あたしは、長谷川くんに駆け寄った。



「長谷川くんっ」


あたしが声をかけると、少し驚いた顔をして長谷川くんが振り向いた。


「なんだ、秋月さんか…」


そう言って、また空を見上げた。


「隣、座ってもいい?」