横の髪を耳にかけながら、ひなちゃんが呟いた。


「秋月、…翼?」

「知ってる?」


ひなちゃんは俺の顔を覗き込む。


…ちょっと待てよ。


俺の額に汗が滲み出る。


知ってるもなにも、翼って…。


…俺の親友やしっ!!


あいつ、“秋月”って名字やっけ!?

なんか、そんな気もしてきたっ…!!


確か、姉ちゃんおるとか聞いたことあるような…。