姫と年下王子たち

…なのに、母さんは。



「元気でな、母さん」


俺はそう言うと、レストランから出て行った。


もちろん、もらった財布もその場に残してきた。


…気分が悪い。

無性にイラつく。


でも、なにかに当たる気力もない。


ただただこうして街の人混みに埋もれて、1人で星のない空を見上げていたい気分だった。



ふと我に返り、時計を見る。


…もう夜の10時前だった。