姫と年下王子たち

「その人と別れたことに…後悔は?」

「してないわ」


キッパリとそう答えた、母さん。


しかし、母さんの左手の薬指には…指輪がはめられていた。


「本当は、後悔してんだろ?指輪したままだし」

「…これ?そんなのじゃないわよ」

「じゃあ、もう違う男と?」


あえて意地悪く聞いてやった。


すると母さんは、切なげにフフ…と笑った。


「この指輪、涼のお父さんにもらった婚約指輪なの」