姫と年下王子たち

絢斗だったら、喜ぶに違いない。


持っているだけで自慢になるし、周りからはうらやましがられることだろう。


…しかし。


「いらない」


俺は、受け取らなかった。


「こんな餌で釣られても、俺たちはもう、母さんのことなんてなんとも思ってないから」


今さら現れて、なに母親ヅラしてんだよ。


これが本音だった。


まず俺が、“母さん”と呼べたこと自体が奇跡だった。