姫と年下王子たち

母さんがあまりにもフツーに入って行ったので、呆気に取られていた。



「いらっしゃいませ」


母さんが通ると、店員はみんなピタリと立ち止まってお辞儀をした。


「田山様、いらっしゃいませ」


ふ~ん…、母さんはここの常連なんだ。


俺は、ショーウィンドウ越しにバッグを眺めた。


…げっ、値札ついてねぇしっ。


「田山様、今日はどういったご用事で?」