姫と年下王子たち

…高級ブランド店じゃねぇか。


母さんは躊躇うこともなく、店の中へ入って行った。


この店の品は、初任給をもらったくらいの社会人じゃ、そうそう購入できるものじゃない。

ましてや、高校生なんて論外だ。


明らかに、この店だけ雰囲気が違った。


入るのは自由だけど、まず入ろうとは思わないだろう。


「どうしたの?涼」


くるりと振り返る母さん。


「…なんでもないっ」