姫と年下王子たち

昔は、ショートヘアだった。

それに、もっとフツーの女性だった。


こんなスーツの似合う、キャリアウーマンなんかではなく…。

フツーの…。


フツーの主婦だった。

それに、フツーの“母親”だった。



その、田山美奈子と名乗る女性は…。


「母…さん……」


…俺の実の母親だった。


「見違えたわね、涼っ」


母さんは、また優しく微笑んだ。