「カズヤさんを…殴ったの?」

「…………」


あたしの問いに、長谷川くんは無言だった。


否定しないってことは、そういうことなの…?


「人を殴ったぐらいで、血なんか出ないって」

「…じゃあその傷、どうしたの?」


長谷川くんは、ムスッとした顔つきになった。


こんな長谷川くんの表情、初めて見る…。


「…殴って……」

「えっ?」


声が小さくて、聞き取りづらい。