ドクドクと胸が痛くなる。 あの日の夜で、黒崎さんの気まぐれで続いていた関係は終わったはずなのに。 まだ私は期待していいの…? 一歩また一歩距離が近くなって、あと少しで私の元へ達する、という時______。 黒崎さんが駆け出した。 初めて見た。 いつもユッタリと歩いている彼がその長い足で地面を蹴るなんて考えられなかった。 「…っ待て!」 彼の切羽詰った声を聞くのも、初めてだった。