とある悪女の物語。






実は、茉莉の家庭の環境はかなり複雑だった。以前何でもなさそうにその事情を語ってくれたが、聞いた話はあまりにも痛々しいものだった。



それを黒崎さんに話してもいいのか悩む。



話したところでどうにかなる問題ではないが、この状況は茉莉にとってあまりよくない。



いやでも寄りにもよって黒崎さんに話すのは…。



悶々と考えていたけれど、「何かマズイのか?」と問われてしまった。




マズイことしかないんです、と返したいけれど一息置いて意を決して口を開いた。




ごめんね勝手に話して。けれど話さないことには茉莉の親へ連絡が行ってしまうし、サポート体制を作らないと見かけによらず不器用な茉莉が利き手ではない手で生活するのは困難だろう。