とある悪女の物語。









「……いっ」





ズキン、とした強い痛みに目が覚める。







「…病院?」




目を開くと視界が何度か揺れたモノの、落ち着いてあたりを見回すと病院の個室のようだった。




病院に運ばれたんだと思いながらも、強い薬品の匂いに顔を顰めた。



喉が異常に乾いていて、体が気怠い。




起き上がろうと布団から出した掌は包帯でグルグルに巻かれていて、どうやら点滴にも繋がれている。





「……あー、もう最悪」




天井に不格好な片手を翳してみたけれど、血液が足りないのか直ぐに怠くなってしまいそっと体の上に手を下げた。




よく考えれば私は利き手の右手で刃を受けていて、これからしばらくどうやって生活すればいいんだろう。



左手で文字が書けるほど器用じゃないし、左手でご飯を毎食食べるだなんて苛々しそうな作業は私には向いていない。




それに入院ってことは親に連絡が行っているだろう。友達のナイフを勝手に握ってケガしました、なんて言えばいいのだろうか。




考えたくない事ばかりでそれらから逃げるように目を閉じる。




本当、こんなことして私は…。




馬鹿、みたい。