「まっちゃーん!!」

友佳が手を振って真澄先生に駆けてゆく。

真澄先生もこちらに気付いたらしく、
驚いた顔でこちらを見ていた。


「友佳さん!? それに忍さんまで!? 何故此処に?」

「それはこっちの台詞だよ、先生! おめかししちゃって~、これからパーティーにでも行くの?」

「すみません、先生。今までカラオケに行っていて……、これから帰るところなんです」


先生は、私の返答を聞くと顔を曇らせる。
そして、険しい口調で言った。


「そうだったの……、それを責めるつもりは無いけど、今日はもう帰りなさい」
 
「まぁ、そのつもりですけど…。でも、もうちょっとお話ししましょうよ~、それとも今お忙しいんですか?」


友佳が話を続けようとするが、
先生は友佳の背を押し、見たことが無いくらい焦りながら私達を帰そうとする。


「お願い、何も聞かずに帰って! 知りたいと言うのなら後で訳はきちんと話すから! 今は手遅れになる前に早くここから立ち去って!」


それには、鬼気迫る者があった。