「おおきくなったら、そうちゃんのおよめさんになるよー」 「俺のお嫁さん?」 「うん、およめさーん。そうちゃんはおうじさまでー、わたしがおひめさまだからー、おおきくなったらけっこんするのー」 お伽話のセオリーに則り、純然たる事実を雄弁に語ると。 何故か、颯ちゃんは大声で笑い始めた。 「そうだね。じゃあ、リリーが大きくなっても俺でいいって思ってくれてたら、お嫁においで」 優しい笑顔で言うと、額にキスを落とされる。 颯ちゃんのお嫁さんになる! それがただ嬉しくて、颯ちゃんの首に飛びついた。