わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 靴箱に行くと、里実達は昇降口を出たところに立っていた。

 わたしと拓馬は靴に履き替え、彼女たちのところに行く。

 佳代は拓馬に会釈すると、自分の自己紹介をすませていた。拓馬も手早く自分の名前を紹介する。

「拓馬君を少し借りるね」

 彼女の言葉だと初対面にも関わらず拓馬を即座に名前で呼んでいた。

 佳代は拓馬にいろいろな質問をぶつけていき、拓馬は各々に丁寧に答えていく。

「拓馬君の好みのタイプってどんな子?」

 学校の外に出た彼女はそうにやりと笑った。

「美月」

「拓馬、何を言うのよ」

「だってほかに答えようがないよ」

 拓馬は悪びれた様子もなく、そうあっさりと告げた。

 本当に彼は困ったものだ。

「本当に噂通りだね。じゃ、わたしたちは先に帰るよ」

 佳代は里実に目くばせすると歩き出した。

 わたしと拓馬はその場に取り残されていた。

「噂? 昼に話していたのとは別の?」

「なんでもないの。早く帰ろうよ」

 拓馬をせかすわたしの言葉に、彼は笑顔で微笑んでいた。

 さっきの暗い表情が消えていてホッとした。