わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 彼女は話が通じてほっとしたのか、会釈をすると自分の席に戻っていく。

 私は鞄の中から進路希望の紙を取り出した。今日、遅刻したので朝のホームルームには出ていない。

そのため、今朝提出すべきだった進路希望の紙を出していなかったのだ。

 朝、職員室に寄ったときに出せばよかったのだが、担任もいなかったし、私もすっかり忘れていた。

担任の受け持つ数学は朝一に行われたため、放課後まで顔をあわせないことになる。

「そういえば今朝、遅刻していたね」

 佳代は思い出したように口を開いていた。

「うん。体調が悪くてね。今から出してくるよ」

「どこ書いた?」

 里実は立ち上がった私にそう問いかける。

 私は志望大学を記した紙を佳代と里実に見せる。

里実や佳代とは希望の学科は違うものの、大学は同じ大学を志望していたのだ。

 里実はそのプリントに目を配り、細めていた。


「やっぱりそこか」

「近いし、やりたいこともあるからね」

 私の言葉に里実は笑顔を浮かべていた。

 椅子を引き、窓の外に少しだけ視線を向ける。そのとき、窓から生暖かい風が飛び込んできた。