わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 拓馬は顔色一つ変えずに涼しい顔でそんなことを言う。

彼のストレートな言葉はどんな言葉よりも真っ直ぐにわたしの心に届いた気がした。

だが、わたしが拓馬に対して恋心を持っているかはわからなかった。

好きなことは好きなんだろう。嫌いならこうして一緒にごはんを食べたりはしない。

でも、その拓馬を好きな気持ちが恋心なのかと言われたらわからなくなる。だから気づかない振りをすることしかできなかったのだ。


「いつも松方先輩と帰っている?」

 トマトを口の中で噛み砕くと、酸味と甘味のある感触が口に広がっていく。それをごくりと飲み込んだ。口の中が落ち着くのを待って、口を開いた。

「だいたいはそうかな。昨日は用事があったから一人だったけど」

 用事と言うことに抵抗はあったが、説明するのも面倒になりあえてそう告げていた。

「よかったら一緒に帰らない? 松方先輩が一緒に帰らないときだけでもいいから」

「考えておくね」

 里実に言えば間違いなく拓馬と帰れと言われそうだった。

 ただ、今朝のように目立ってしまうのはものすごく嫌だった。