わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 わたしが選んだのは校舎や木陰に当たる、人気の少ない場所だ。春先は肌寒さも助けてか人気があまりない。

「静かでいい場所だね」

 拓馬はそう言うと、その場所にあるベンチに腰を下ろす。あのクラスで見た拓馬の笑顔のことをなんとなしに思い出していた。

「拓馬は家で友達と遊んだりするの?」

「やきもち?」

「バカ言わないでよ。ただ、気になっただけ」

 それを世間ではそういうのかもしれない。だが、素直に認めることはできずに、そういい放った。

「友達は誰も遊びに来たことはないよ。今のところはね。それに親しい人以外はあげないよ。なんか面倒そうだし」

 拓馬はそう大げさに肩をすくめていた。それは彼が彼女には興味がないということなのだろう。安堵したことに罪悪感を覚えながら、彼に問いかける。

「親しいクラスメイトってさっきの男の人?」

「あいつはそうだな」

 そう思ったのは彼がわたしのことをすぐに言い当てたからだ。それも拓馬に聞かされて。ということは必然的に親しい可能性が高い。

 彼がどういう場所に住んでいるのかもわたしは知らない。