わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 目の前の拓馬の髪の毛は昔の面影もないほど真っ黒だった。

「髪の毛の色が変わってない?」

「染めたから。イメチェン」

 そうあっさりと告げた。そう言った彼の瞳がいたずらっぽく光る。

 基本的に髪の毛は染めたらいけないが、学校側もまさか髪の毛を茶髪に染める生徒がいても、黒髪に染める生徒があまりいるとは思わないだろう。

それがものすごく似合っているのがなんともいえないが。

 唖然とするわたしをよそ目に、二人の会話は続いていく。

「でも、たかが髪の毛くらいで分からなくなるなんて、幼馴染相手に冷たいね。美月は」

「だってわたしも分からなかったから分からないんじゃない? わたしのときは事情が事情だから分かったけど」

 奈月は彼にそう告げた。

「そんなに変わった?」

 拓馬は少し不満そうに自分の髪の毛を触っている。

「まあね。でかくなったし、髪の毛黒いし、声も汚くなったし」

「汚いって」

「ごめん。わたし、嘘は苦手だから」