わたしは年下の幼馴染に振り回されています

「あれから、良く笑うようになって、友達も結構出来たんだよ。松方先輩とか佳代先輩は顔広いしね。その繋がりで」

「佳代のこと名前で呼んでいたの?」

「本人の命令でね」

 わたしは妙に納得した。佳代なら言いかねない。

「そっか」

 今の楽しそうに笑う彼女を見ていると、きっと良いほうに状況が変わっているのだと実感した。


 拓馬と別れ、教室に入ろうとしたとき、ふと嫌な事が頭を過ぎる。

 翔子に言った奈月が彼女に言わないと問いかければ、わたしは即効ノーと答える。

 案の定、教室に入ると、笑顔の里実と佳代に迎えられた。

「付き合う事になったんだ」

 目を輝かせる佳代にこっちが戸惑う程だ。

「まあ、一応ね」

「ついこの間まで受験生だって言っていた人とは思えないね」

 里実の言葉に胸が痛む。

 胸の痛みから、顔を伏せるわたしの肩を、彼女はぽんと叩く。

「まあ、良かったよね。拓馬君も思いが実って」

「そこはわたしじゃないの?」

「だって、拓馬君は十年くらい好きだったんでしょう? 四年も美月に会えなかったのに。中学でも相当もてたと思うよ。あれは」