わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 彼が離す気にならないとダメなんだろう。

「本当に強引なんだから」

 わたしはあきれ声を漏らす。

 そのとき、拓馬の手が離れた。

「拓馬?」

「だから、あいつにああいうことを言われるんだよな」

 拓馬は髪の毛をかきあげた。

 彼なりに館山君が言っていたことを気にしていたんだろう。

「でも、美月が俺を好きでいてくれるとは考えたことはなかった。今日から俺の彼女か」

 拓馬は顔をくしゃくしゃにして嬉しそうに微笑んだ。

「彼女」

 自分で口にして顔が赤くなるのに気付いた。

 だが、わたしは拓馬と一緒にいた女の子のことを思い出した。

 両想いになったからといってすんなり現状を受け入れることなんてできない。

「拓馬と一緒にいた女の子は誰なの?」

「千江美じゃなくて?」

「夏休み明けに、きれいな女の人と近所のスーパーで。拓馬は頭を撫でらていた」

 拓馬は腕組みをすると、あごに手を当てた。