わたしと拓馬が見つめあう状態になっていた。
「好きって」
「そのままの意味だよ」
わたしは寂し気に微笑んだ。
拓馬が全く反応しなかったから。
「奈月と待ち合わせてから、帰ろうか」
きっと館山君の好意を無駄にしてしまった。わたしがずっと素直にならなかったから。
歩きかけようとしたわたしの手を拓馬が掴む。
振り返り、わたしは拓馬の顔が真っ赤になっていたのに気付いた。
「拓馬?」
わたしの声に反応するように、拓馬はわたしを抱きしめていた。
わたしはとっさのことに頭が混乱する。
「拓馬、学校なんだよ。誰かに見られたら」
「別に俺は構わないよ。美月が相手なら」
わたしがもがくと、彼の腕の力が強くなっていった。
強い力。もう小学生のときの頃とは違うと改めて感じさせる。



