わたしは年下の幼馴染に振り回されています

「君みたいに不安な気持ちを相手に押し付けるのはどこか違うと思うよ」

 拓馬は唇を噛んだ。

 不安という言葉にわたしはドキッとした。

 拓馬は完璧で何かを不安に思うことなんてないと思っていた。

 わたしを好きだと言っても、得意げで自信たっぷりだとどこかで勘違いしていたのだ。

 館山君がわたしに目くばせした。

 わたしは思わず声をあげそうになる。

「俺は帰るよ。返事はまた今度聞かせてくれればいいから」

 彼はそう言い残すと、そのまま昇降口の外に出て行った。

 拓馬はわたしの手をつかむ。

「帰ろう。あの人は何だよ。最初から」

 彼のプレゼントはわたしへの告白じゃない。「きっかけ」だったのだ、と。

 わたしは動き出さなかった。

 拓馬は虚をつかれたようにわたしを見た。

「美月だって、とっとと断れよ。あんなやつと付き合ったりしないだろう」

「拓馬はわたしの気持ちを考えないの?」

 思わずそんな言葉が出てきた。