わたしは年下の幼馴染に振り回されています

「わたしはいい人でもないよ。それに嫌いなら嫌いでいいよ。無理に好きになる必要なんてないんだもん。精神衛生上悪いでしょう?」

 わたしが大げさに肩をすくめると、彼女は口をつぐむ。

「嫌いじゃなくなってくれたら嬉しいけど、それを決めるのはわたしじゃないもの」

 彼女は唇を噛むと拓馬の写真に視線を落とす。

「紅茶、緑茶、オレンジジュース、グレープフルーツジュースのどれがいい?」

「紅茶」

「分かった。持ってくるね」

 少し間を開けて戻ろう。わたしがいないほうが彼の写真を堪能できるだろう。

 だが、歩きかけた足を止め天を仰ぐ。彼女の意表をつかれたような表情は拓馬の写真を求めていたわけではないようだった。考えをめぐらせ、わたしは一つの答えに行きついた。

 わたしはリビングに戻り二人分のお茶を用意した。肌がべたつく暑さであることを考え、アイスにする。

「あの子はどう?」

「今は拓馬の写真を鑑賞中」

 リビングで洗濯物を畳んでいた母親は軽く苦笑いを浮かべる。