わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 母親はシャツの寝巻を渡す。見たことないものなので買い置きしていたものだのだろう。

 彼女は奈月に連れて行かれ、部屋を出て行った。

 わたしは誰かと話をする気にはならずに部屋に戻ることにした。

 階段を上がり、息を吐く。そして、窓から覗く雨が降りしきる暗闇の中に街灯がおぼろげに漂うのを見て、息を吐いた。



 問題集を閉じると、その場に顔を伏せた。

 あれから一時間ほどが経過し、雨脚は徐々に強くなっていく。拓馬から連絡が来ることもなかった。千江美達は下にいるのか、階段を上がってくる音も聞こえなかった。

 不意に床がきしむ音がし、扉が軽くノックされる。

 返事をすると奈月が顔を覗かせた。彼女は背に扉を当て、少し上目づかいにわたしを見る。

「さっき、千江美から何か言われなかった?」

「あの子が何か言っていた?」

 奈月は首を横に振る。

「何も。でも、そんな気がした」

「気にしなくても大丈夫。心配かけてごめんね」