わたしを傷つけるための言葉のはずなのに、彼女はそれ以上に傷ついているように見えたのだ。
前に見たのと同じ目をしていた。
何かを抱え続けるのは限界に達していて、敵意をぶつける相手をどこかで探していたのかもしれない。
そして、そんな自分を嫌悪しているように思えてならなかったのだ。
彼女の目から涙があふれる。彼女は何を形にしたのだろうか。悲しみだろうか。だが、わたしにはそうは思えなかった。
「今日、わたしたちを見た?」
彼女は頷く。
「あなたが拓馬に何か買ってもらっていたのを見た」
彼女が見たのはあのお店に出入りしたときだったんだろう。だから、こんなことになったのかもしれない。
「あれはわたしにも買ってくれたけど、拓馬が持っていた大きな袋は千江美ちゃんの誕生日プレゼントなんだよ。今月誕生日なんだよね」
千江美が体を震わせた。
「でも、いつもあなたばかり優先して。分かっているけど、どうしょうもないくらい嫌なの」
謝りかけた言葉を飲み込んだ。彼女はわたしに謝られたくないはずだった。
だから事実をできるだけ端的にまとめる。



