わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 わたしは人気のなくなった靴箱から、黒の革靴を取り出した。

 何をしていたかといえば、勉強だ。

 勉強は家でもできるが、昼休みの嫌な記憶がわたしを足止めしていたのだ。

 あのひそひそ話を聞いただけならよかっただろう。

だが、あれで終わりではなかった。

職員室に行くまで何人かの生徒とすれ違った。

特に一年生と思しき生徒が何人かわたしをなめるように見ていたのだ。

 人の噂も七十五日というが、この噂はいつ立ち消えになるのだろう。

 革靴を置く音が辺りにぱたりと響いた。

それほどもう靴箱には人気がなく、辺りが静寂に包まれていたのだ。靴を履き替えると、上履きを靴箱に戻す。

 グランドから掛け声が聞こえる。これはサッカー部の掛け声だろうか。

 高校三年の春。

もう受験までのカウントダウンは着実に始まっている。

わたしはその一年の王子様でもなく、残された高校生活を受験に全力投球したかったのだ。

「本当、何がなんだか」