わたしは年下の幼馴染に振り回されています


 そう自分を戒め、職員室に続く石造りの渡り廊下に行こうとしたときだった。視界の隅に二人の女の子が映る。

彼女達がわたしを見ているのは薄々気づいていた。

「あの人が?」

「高等部のほうの坂木さんと聞いたから、お姉さんのほうでしょう? 彼とつきあっているんだって」

 そんなひそひそ話の聞こえてきた方向を見る。

すると、そこには赤のラインの入った上履きを履いている生徒が二人こちらを見ていた。

それは二年生だ。さっきの佳代の話からどんな噂を流されているか見当がついた。

 彼女達はわたしと目があうと、白々しく目をそらす。

 奈月か誰か知らないけど、なんて噂を流しているんだろう。その一年生も否定したらいいのに。

 わたしはそんなものにかまう気にならずに、職員室への道を急ぐことにした。