わたしは年下の幼馴染に振り回されています

「いいんじゃないの? わたしが関与することでもないよ」

 わたしは立ち上がると、物理のテキストを手に取る。

 次の授業は理科室で行われる。

「呼び出してあげようか?」

 いつの間にか聞き出したのか、佳代の言葉に首を横に振る。

 彼女なりにわたしを気にしてくれていることは分かっていた。

だが、わたしにはどうするという答えも出せなかった。

血縁者の彼女に会うのをやめろとそんな自分勝手なことを言えとでもいうのだろうか。

それに一週間や十日会わないくらいでぐだぐだいうこともどうかと思う。

 教室を出て、階段を下りていく。一階まで降りたとき、昇降口に拓馬を見つけ、わたしの足も自然に止まっていた。

「拓馬君」

 振り返った拓馬の視線がわたしで止まる。呼んだのはわたしではない。隣にいた佳代だった。

 佳代はわたしの背中を軽く押す。

「少しだけでも話をしてきたら? 五分くらいは大丈夫」

 彼は隣にいた市井さんに声をかけると、わたしたちのところまで歩いてきた。
「久しぶり」