わたしは年下の幼馴染に振り回されています

「大丈夫? 熱を出したと聞いて、びっくりしてやってきちゃった」

「大丈夫。月曜日には学校に行けると思う」

 彼女は横から拓馬に抱きつく。

 明らかにわたしの顔が引きつるのが分かった。

「美月さんですよね」

 彼女の何かを悟ったような言い方に何か妙な感情があった。

「おばさんは先に帰っていいですよ。拓馬はわたしがつきっきりで面倒を見ます。今日は泊まっていくね」

 彼女の敵意丸出しの言葉にわたしは顔を引きつらせる。

「泊まるって」

「従兄妹なんだよ。俺のおばさんの娘さん」

 拓馬は血相を変えてフォローをしていた。

「そうなんだ」

 わたしはそこでやっと事情が飲み込んだ。だが、彼女は拓馬に触れた手を離そうとしない。

 明らかに敵意を丸出しにしている。それはわたしが常々感じる、わたしを邪魔だと思う女の子の目。 

「もう帰ってください」

「千江美」

 冷たく言い放とうとした彼女の言葉を拓馬が強く口調で咎める。

 強気だった彼女の目に透明な涙が溢れてくる。そのころころと変わる表情にわたしだけではなく拓馬もあせりの色を滲ませる。